テレビでサッカーを見ていて、最近よく耳にする「ハーフスペース」。
以前はピッチを縦に分割して、ポジションをわかりやすく表現する方法として3分割することが一般的だった。
サッカーC級ライセンスの講座でも、ピッチの場所を言葉としてとらえるひとつの方法として、左サイド、センター、右サイドと何の疑問もなく勉強をしていた。
さて、ハーフスペース。
一般的な定義としては、
「ピッチを縦に5分割した時、左から2番目と4番目のレーンを指す。
中央レーンでは選択肢は多いがスペースがなく、サイドレーンではスペースはあるがゴールまでは遠い。中央、サイドに隣接して選択肢も多く、スペースも余裕があるハーフスペースを崩しの起点にすることが現代サッカーのポイントのひとつになっている。」
ハーフスペースはポジショナルプレーを実践していく上で欠かせない概念のひとつ。ピッチを5分割して、ハーフスペースを設けることにより敵味方のポジションを分かりやすく認識することができる。何となく曖昧に使ってきたスペースを名前をつけて意識することにより、はっきりと全員で共有することができる。
ハーフスペースの使い方として、大前提にあるのは「トライアングル」をつくること。トライアングルを成立させる条件として、前後の選手が同じレーンに入ってはならないこと。前後の選手はお互いに適切な距離を保ち、隣のレーンにいること。
また、自分のポジショニングはトライアングルを成立させる一番近い味方によって決まる。
↓ポジショナルプレーを成立させるハーフスペースとその使い方の図
ペップ・グアルディオラがこのハーフスペースを認識させるアイデアを思いついたきっかけが、バイエルン・ミュンヘンの選手たちが、グアルディオラが基本だと思っていたポジショニングができていなかったからだとか。
バルセロナでは基本中の基本、ロンドで叩き込まれるポジショニング術。
誰にでも理解実践できるようなハーフスペースという概念を根付かせたグアルディオラには頭が下がる。ハーフスペースの副産物として、偽サイドバックまで成立させてしまった。それもこれもクライフの香りを感じる。