イタリアカルチョを観戦する目的でローマに行き、以前泊まったことがある宿に3泊という予約で行きました。しかし、行ってみると手違えで1泊しか泊まれないと言われた。
どうしようかと困っていたところ、宿のご主人が友人の宿を紹介すると言ってくれた。何だか腑に落ちない点がありながら、紹介してくれるのならいいかなと無理やり納得。値段はここと変わらないということで、1泊して次の日に移動することに。
次の朝、移動するため場所はどこかと聞くと迎えに来るから大丈夫とのこと。車で迎えに来たのはイタリア人老夫婦。仕事を引退して宿の経営をやっているらしい。車中、いろいろとカタコトながら英語とイタリア語混じりに話を聞くと、自宅の2階を宿にしていることと年齢は65歳らしい。自分の父親と同年代で親近感がわいた。
親近感が湧く中、気になることが。車は1時間くらい走ってもなかなか着かない。しばらく走り、もうすぐ宿に着くとのこと。
「ここはローマのどこですか?」と聞いたら、「ローマじゃないオスティアだ」と言われた。車窓から海岸線が見えたし、もっとはやく気付け自分。
この宿、電車でローマ市内まで1時間ほどかかり、宿から最寄りの駅までも車で15分はかかる。ローマのスタディオ・オリンピコに行くには最悪の場所。宿泊交渉に入り、2泊でいいのかと聞かれたが、カルチョ観戦のためもう少し近くの宿に明日から移動したい、悪いけど今夜1泊だけとした。
夕食時、イタリア人の食卓に参加させてもらうことになった。イタリア人老夫婦と僕ともう1人宿泊しているイタリア人のお兄さん、4人の食卓。僕がカルチョ観戦するということを言ったのでイタリアカルチョの話になった。話といっても言葉がわからない、単語が少し聞き取れるくらい。「ロベルト・バッジョは知っているか?」と言ってきたので、「アイ ライク ロベルト・バッジョ!」と言いました。引退してもイタリアはロベルト・バッジョだよと心の中で、僕。次におじさんが「バッジョはナンバーワンか?」「バッジョはナンバーワンだろう?」と、僕。「ここはローマだぞ」と何か意味深におじさん。「ローマ?」と聞き返したらおじさんは食べている手を休めて、「ナンバーワンはトッティだよ!」と。なるほどイタリア、地方色が強いと聞いていたが、地方色が強いとはじめて近くで感じた瞬間でした。だが、おじさん、ここはローマでなくオスティアじゃなかったのか?もうひとつのイタリア、いい加減さも感じた、2006年頃のお話でした。